最初のユーザを探す過程と分かったこと


さて、前回の記事からしばらくたってしまいましたが、アップルの審査が遅いか
らずっと漫画読んでたわけではありません。RunningLeanを読んだ後、何にで
も影響されやすい僕はひたすら最初のユーザを探していました。

少ないながらもヒアリングさせてくれる人に会ったり、Lisgoの本当の最初のユ
ーザにSkypeでビデオチャットしたり、新規事業を専門に仕事している方にアド
バイスもらったり、ZenStartupの朝会にいってナイスアイデアをもらったりと幸せな時を過ごしていたわです。

しかし、肝心のLisgoはリリース後一ヶ月で50ぐらいしかダウンロードされず、
これは革命的なアプリだよ!と吹いていた初期の勢いはなくなり、最近ではもう本当に謙虚なものです。まあ、この間に学習できたことは膨大であるのでよしとします。

いろいろな事がわかったので、リーンスタートアップっぽいことを実践してみた現在進行形のケーススタディを今回は書いていこうと思う。失敗体験のケーススタディです。

(注)LisgoはWeb記事を音声読み上げするiPhoneアプリ

@目次
「ぶれぶれだった最初のターゲット」
「興味持ってくれる人の探し方」
「ヒアリング結果でわかったこと」
「最初のターゲットが段々と微調整されていく」

ぶれぶれだった最初のターゲット

まず、最初のターゲットユーザですが、Lisgoの場合はオーディオブックユーザやRSSをたくさん読みたいビジネスマン、英語学習者、視覚障害の人などを想定していました。

英語学習者は結構好感触で喜んでくれるのですが、結果的に語学学習ツールになればいいかなと思っていました。なぜなら、語学学習として特化すると、辞書機能や、単語リスト、翻訳機能など、こちらの方向性に進んだほうがよさげで、自分が欲しかったものとはちょっとずれてしまうからです。

しかし、優柔不断な僕は、「最強の英語学習アプリにもなるよ!」とぶれたことを語っていました。ここは失敗した一つの原因にもなっています。

また、視覚障害者も喜んでくれそうですが、これも特化するとなるとUIの作り方が一切変わってくるので、最終的に使ってくれるといいなと考えています。このへんはあまりぶれてはいませんでした。

ここでの失敗は、自分が最初のユーザだったのに、周りの意見も聞いて人々が欲しいものを作るんだ!グレアムさんもそう言ってるし!と意気込んで、最初のターゲットが知らず知らずのうちに八方美人になっていたことでしょうか。

いやあ、ターゲットは絞らないといけないとは分かっていたはずなのですが。

具体的にいうと、ターゲットが絞られていないからLisgoの最初の画面はブラウザにして、なんでもできるのだけど、特定の用途には不便という失敗でした。

興味持ってくれる人の探し方

自分の場合、まず海外のテキストスピーチの掲示板に書き込んでみたり、Facebookでページをイイねしてくれた人にメッセージ送ったりしてました。この時は、英語圏の人を探してた。

でも、実際に会って話せないとなかなか本当の事もわからないので、途中から、日本語版出すのだから、日本人でも全然問題ないと気付き、音声学習やオーディオブック関連のブログ書いている人を探してメールしたりしてみました。

しかし、まあ突然メールしてもほとんど無視されるのがオチで、枕を濡らす日々が続きます。

周りの友達とか、会社の取引先とか、学校とか、自分の交遊範囲内で最初に興味持ってくれる人を探せない場合は結構きつい事が予想されると思います。

日本にいても世界的なサービス作りたいなら最初から英語版を出すべきと孫泰蔵氏も言っていて、そのとおりだと思うのですが、やはりユーザと直接会いにくい不利は大きい。

B2Bサービスで上手くいった例は、たいてい顧客と最初から接点があって、問題もはっきりと認識できていた事例が多いのを思い出しました。

マクロミルの場合は、調査費用が高くて手軽じゃないって問題を業界の中で分かってみたいだし、Linkdinに設立一年以内に買収されたカードマンチは、最初から完全に問題をわかってて、狙いすまして開発していたらしい。

Pulseというアプリは、創業者二人がカフェで開発しながら、カフェにいる周りの人たちに意見を即時にもらいながら開発したとか。

まあ、最初はコンセプトを周りに理解してもらえないのはよくあることでもある。Ash師匠によると、ブログやツイッターで情報発信するのが重要だと。特に、製品の事を書くのではなく、最初の想定したターゲットが興味ありそうな記事を書けとのこと。

というわけで、英語でテキストスピーチに関するブログを書き始めましたが、まだ一件しか書いてない。たぶん、ネイティブが読むとへんな英語だと思われる。今後は、日本語版も作ろうと思います。

ヒアリング結果でわかったこと

それでもなんとか数人の人にヒアリングさせてもらうと、自分の想定外だったことがたくさんありました。また、こうであろうと予測していた事が全然違ったり。また、ターゲットがぶれている段階でヒアリングすると混乱するのもまた事実。

特に一番の想定外だったことは、オーディオブックユーザに思った以上に響かないということでした。これはサンプル数が少ないからかもしれませんが。

オーディオブックやラジオは人が話しているっていうのが重要で、ラジオだと特に話し言葉なのが重要らしい。

また、RSSをよく読む人は、目で読んだほうが速いという至極まっとうな意見。自分の場合は走ってる時とかがあるのですが、それがないと確かに使う機会がないかも。電車もiPhone読む事はできるし。

最初のターゲットはどこなのかと、また途方に暮れて枕を濡らす毎日でした。

それでも、OnLabの第三期説明会でLisgoの試作版を紹介した時にぜひ欲しいと言ってくれた人に話を聞きに行った時は、本当に参考になった。簡単にいうと、読みたい記事を音声読み上げしたいとはっきりイメージできてるので、欲しい機能が簡潔でとてもシンプル。他の機能は一切いらないといった感じ。

そのお方は、Twitterのお気に入りで記事をブックマークするので、それを取り込んで読み上げてくれたらそれで最高と教えてくれた。Twitterのお気に入りを後で読むとして使うなんて想像もしてなかったので、その日帰ってさっそく調べまくったら、確かにそういうユーザは多いらしい。びっくりした。

また、アメリカ人で最初にアプリを買ってくれた方もスカイプでビデオチャットしてくれました。この方は、Lisgoのコンセプトが気に入ってくれて、なんでも自動車通勤に片道1時間半かかってて暇らしい。

オーディオブックユーザでもあり、アプリ開発者なので、iPhone用の解析ツールや、最終的にはReadItLaterに読む記事を集めているのでそれに対応してくれるといいとか教えてくれた。なんでも、お友達の自転車乗りがこういうアプリないかと聞いてきて、探したのがきっかけらしい。

最初のターゲットが段々と微調整されていく

いろいろと話を聞いたり、アドバイスもらったりした結果、最初のターゲットはWeb記事を普段読んでいて、なおかつランニングをよくしている人じゃないかと現時点で修正されてきた。

まだサンプル数が少ないからわからないけど、ランニング中に使うんですって言われると結構感触がよかったです。

自分も、特にWeb記事を読みまくりたいという動機ではなく、ランニング始めてもおっくうで続かないから、その時間に読みたいWeb記事を耳で聞いてランニングの退屈さをしのぎたいなあと考えてたことを思い出した。

そういえば、毎日Lisgo使ってるけど、きまって走っている時間帯ばかり使っている。Lisgo作ってから、3日坊主で止まっていたランニングが一ヶ月近くも続いているし。まさに、Lisgoを使い始めた時とランニングの持続期間がシンクロしている!

とまあ、なにがいいたいかというと、いろいろヒアリングしていると、最初のターゲットユーザがいい感じに微修正されて、なおかつ自分が間違っていた部分がよくわかってきたということです。

これ以上長くなると誰も読んでくれなさそうなので区切ります。

次回は、そもそも世界を変えようとか思って作り始めたのではなく、自分が欲しいから作り始めたんだ!という話。さらに、そこが最初のバージョンをシンプルで尖ったものに作り変えるきっかけになってその次の話。新しい消費生活を作って、将来生まれる問題を解決する製品の作り方を聞いた話などを書きたいと思います。