NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」がついに始まった。司馬遼太郎の最高傑作といわれる原作を今年始めに読み終わってから、まだかまだかと待ち望んでたわけであります。
NHK大河ドラマの制作費が一話で6000万かかるらしいが、この「坂の上の雲」は一話で3億はかけると聞いていた。全13話を3年かけて放映し、NHKドラマの中でも超がつくほどの力の入れよう。NHKの不祥事が騒がれる前は、総額200億円かけるとぶちまけていた。
実際はかなり制作費が縮小されてしまったらしいけど、それでも大河ドラマを超えるNHK超大作ドラマなのは間違いない。NHKは「ニホンの教養」とか、「その時歴史が動いた」とか良質なTV番組が多いのでマジで頑張ってほしいです。(受信料は払っていないけど。)
さて、一話をとりあえず見た感想なのですが、期待通りにいい!坂の上の雲は日露戦争で活躍した秋山兄弟が中心となる物語なのですが、今回はこの兄弟の幼少の頃の話。
この兄弟の家は相当貧乏で、弟の秋山真之が生まれてすぐ、両親は生活苦から寺へ出そうかと言ったが、「将来自分が豆腐ほど厚い金を稼ぐから、弟を寺へやらないでくれ」と兄貴の好古が懇願する。(相当気性の荒い男に育つ弟の真之も、大人になっても兄貴には頭が上がらない)
もうしょっぱなのこの場面で涙ちょちょ切れるほど感動なわけです。この兄弟は貧乏ながらとにかく学問がしたいという熱い思いがあり、兄貴は軍隊に入ればタダで学校に行けると騎兵隊に入る。東京に行って勉強したいと思いながら金がなくてあきらめていた弟の真之の面倒まで見るという最高の兄貴。(その分猛烈にスパルタではあるが)
時折挿入される当時の白黒写真や映像もいい。なにより、配役がぴったり。秋山好古役に阿部寛というのがこれ以上にない人選じゃないかと。映像化してくれてありがとうとTVの前でお辞儀です。小説で読んで想像していた風景が映像化しているのも興奮する。久々に続きが待ち遠しいかぎり。