Lisgoのターゲットを絞って作り直すといい感じになってきた


Lisgoで忙しく、ブログを書いてなかったのだけど、リーンスタートアップジャパンの夜会も開催されるとのことで、久々にブログを書いてみる。前回のブログ記事からかなり前進したので、その過程を思い出しながら書くとします。

LisgoとはWeb記事を音声読み上げするiPhoneアプリで、ReadItLaterと連携させている。

目次
*ターゲットを絞って作り直して大正解
*コンセプトを絞ることによって熱心なユーザが見つかった

ターゲットを絞って作り直して大正解

以前のLisgoは大衆にアピールしようと、とりあえずブラウザを搭載して、そこから読み上げる記事を探してきてくれっていう仕様でした。しかし、これは最初の記事を取ってくるのが非常に使いづらい。

一ヶ月ほど前に、Zerobaseの石橋さんに相談して頂き、その時、自分が最初のユーザならまず自分をターゲットにして最小限の必要なものを作り、そこからアーリーアダプタのユーザへと降りて行けばよいと言われた。これが自分にとっては雷に打たれたかのように素晴らしいアドバイスでした。

というわけで、以前のコードを全部捨てて、自分がヘビーユーザであるReadItLaterという後で読むサービスのリストを取ってくるバージョンを最初から開発しなおした。もう、作る前からこういう仕様だったら圧倒的に使いやすくてシンプルなものになるのは明白だった。

しかし、この時悩んでいたのは、以前あったブラウザ機能を完全に捨てるなら別の名前のアプリとしてリリースしなおしたほうがいいのかってことでした。一応、Lisgoは英語学習者の人たちが最初に少ないながらも買ってくれていたので、この人たちはReadItLater連携アプリになったら使えなくならないかなあと夜も眠れない日々が続いたわけです。

まあ、とりあえずReadItLater連携作って、後からブラウザも付けたそうかなとか考えながら開発していき、結局リリース前にブラウザ機能はやはり完全に捨てることにした。なぜかというと、自分がまったくいらない機能だし、ReadItLater連携する人にもまったくいらない機能だからでした。

以前のユーザにはちょっと申し訳ないなあと思いつつReadItLater版をリリースしたものの、そもそもこの時点でLisgoを買ってくれた人は60人?ぐらいしかいなかったので、特にお怒りのメールはこなかった。おそらく使いにくいブラウザ機能で使い続けてくれていた人は数人ぐらいしかいなくて、その人たちはめんどくさくてメールもしないか、願わくばReadItLaterに登録して使ってくれたのかもしれない。

あまりユーザベースが少ないってのは方向転換がしやすいっていう利点はある。それでも、最初のブラウザ機能になれていて、ReadItlaterなんて知らんよっていうLisgoのファンを切り離す痛みは結構あって、悩んだ。その人たちがReadItLater使うと圧倒的に便利になるとは思うけど。

ちなみに、”TheLeanStartup”という話題の本をこの前読んだけど、マークザッカーバーグはFacebookが拡大するにつれ、初期の大学専用に使ってくれていたユーザの望むものから離れることはしょうがないけど心の痛みであると言ってたらしい。

さて、アプリとしては自分的に圧倒的に使いやすくなり、これは間違いなくイケルわと確信に満ちあふれながら毎日使い倒している毎日です。で、普通の企業が作っているならまだβテストの段階で、最小限の機能しかないのだけど、リリースする事が重要との事で、二週間ほど前にReadItLaterバージョンをリリースした。

次は、ターゲットを絞ったおかげで熱心に応援してくれるユーザが見つかったという話。

コンセプトを絞ることによって熱心なユーザが見つかった

さて、ReadItLaterと連携させることによってLisgoがシンプルで使いやすいものになったのですが、この訴状効果として、最初のターゲットも絞りやすくなった。

つまり、ReadItLaterユーザでTextToSpeech機能を使いたがっている人を探せばいいのである。とりあえずReadItLaterのサポートフォーラムでTextToSpeechで検索してみると、過去にこういうリクエストをしているトピックが6つぐらいあった。

しかし、ReadItLaterチームが「音声読み上げは間違いなく搭載するよ!」と返答しているものの、それは半年以上前の返信で未だに搭載される気配はない。というわけで、トピックに自ら返信してみると、とても興味を持ってくれて、TestFlightというiPhoneアプリのβテストができるサービスを介してテスターになってくれた。

というわけで、TestFlight経由でβテストをしてくれる人は14人ぐらいいるのだけど、毎日使ってくれる人はその中でも4人ぐらい。その人たちがとても有益な意見をくれたり、バグレポートをしてくれたり、どういう状況で使ってるかというのを教えてくれて死ぬほど開発の助けになってます。

特に、RunningLeanを先に読んでたのが大きい。この本には顧客には欲しい機能を聞いたり、製品を売り込むなと書いていて、ひたすら顧客の現在の問題や状況を詳しく聞いたり、アドバイスをもらうなど、ユーザへのインタビューの方法が先に学べたので、それがスカイプでボイスチャットする時や、メールでやりとりする時にとても役に立ってる。

中でも熱心にサポートしてくれる人は3、4人だけど、コンセプトを限定しているので、ちょっと自分のビジョンと違うなあというような提案はほぼ皆無。このブログポストと同じぐらい長いメールのやりとりを何度もやっておるわけです。ここまで時間を投資してくれてアドバイスや使用レポートをくれるというのは本当に素晴らしい。

Lisgoはまだ全然売れてないけど素晴らしい。やる気が出るという意味でモチベーションを高めまくってくださる。まあ、リリースしたけど普通ならまだβテストの段階であまり広まりすぎても困るので今はこのぐらいでちょうどよいかもしれない。

ちなみに、自分が最初のターゲットだから、一番重要なポイントや、どう開発していけばよいかはだいたい分かっているのだけど、それでも同じような趣向で使ってくれるユーザのくれる意見はとても参考になる。

自分だけでは気づかなかった問題とか、使い方。さらには、機能の提案も9割以上は自分の頭の中で考えた事があるものだけど、中には気づかないナイスアイデアをもらえたり、自分が重要だと思っていた機能はそれほど使われなさそうだというのが事前に分かったりする。

というわけで、細かいバグを潰したり、基本的なユーザビリティを高めたりとこつこつアップデートしてるんだけど、特に新しい機能を追加する時はよく意見をくれる人に聞いてみるというのも最近はやってみた。

RunningLeanのAsh師匠も機能追加する時は本当に慎重にしろっていってたし、誰も使わない機能を作らないように何度も考えたり、こういう機能を追加する予定だけどどうだろって聞くのは凄くいい。(どんな機能欲しいか聞くのはよろしくない)

ちなみに、顧客インタビューする時には、「これこれの機能が欲しい」と言われた時は、なんでその機能が欲しいかを出来る限り詳細に説明してもらって、本質的な欲求の部分を探るようにしている。

メールをする時によく書いているフレーズは、なんか機能の不満点や、改善の要求がある時は、出来る限り深くユーザーの事が知りたいから、その考えに至った状況を教えてくれって言っている。だいたい予想できるかもしれないけど、勘違いしたらまずいから詳しくなんでそうしてほしいのかを教えてくださいお願いといた感じで。そうすると、大抵の人は機能要求や、不満点と一緒に自分が陥っている状況を書いてくれるので聞き返す必要があまりない。

しかし、とっても重要なビジネスモデルが機能するかどうかを最初に顧客に聞くっていうのがまだ出来ていない。具体的にはヘビーに使う人のみ月額課金にするとかそういうものなんだけど、世の中のSaaSだとBtoBだからまあ課金モデルはありなんだけど、iPhoneアプリで一般ユーザ向けのもので月額課金なんて相当難易度高いし、ちょっと無理なんじゃないかとも思われるけど、とりあえず今度またスカイプでボイスチャットしてくれる人に聞いてみることにする。