クックパッド勉強会のデザイン手法がとても参考になった


先日、クックパッドの勉強会の抽選に受かったので行ってきた。スマートフォンのビジネスという内容であったけど、顧客開発的な手法がものすごく参考になって凄く勉強になった。

クックパッドは創業当初から顧客志向を体現してきた会社としていつも注目しております。また、ごちゃごちゃしないシンプルなデザインを突き詰めていたり、デザインにとても力を入れているのでずっと前から参考にしていたのだけど、今回はさらに深い内容が聞けて素晴らしかった。

定性的なインタビュー

サービス改善には定量的なデータだけでなく、定性的な顧客インタビューをとても重視してるらしい。サイトやアプリのデータマイニングから得られたデータを元に、現在の課題に近い属性のユーザを実際に社内に招いて、サイトやアプリを使ってもらうところを観察させてもらうとか。

いろいろと意見をくれるユーザもいるけれど、重要なのは、なぜその機能が欲しいかとか、なぜそこが不便なのかとか、お客が本当に求めているものを奥深くまで探ることだと教えてもらった。

特に、お客さんをよく理解して、優れた解決方法を実際に提案するのがプロの仕事だとその後の懇談会で教えてもらったのですが、ここはまさにリーンスタートアップの考え方と一致してるなあと思いました。顧客が問題を伝えるのは難しくないけど、解決方法を考えるのはサービス影響者だと。

あと、いろんなユーザの意見があったりすると、どれを最後に選択するかどう決めるんですかと聞いてみたら、やっぱり多数決より最後はリーダーが決めるのがよいらしい。このへんはいろいろな方法を試した現在の最善策だとか。

特に興味深かったのが、いろいろな意見がある時にどうしたらチームがぶれずにまとまるかっていう部分。ここは、共感というものが重要らしい。

たくさんの意見がある中で、Aさんという特定のユーザを取り出して、この人を喜ばせたいからオラに力を貸してくれ!みたいな感じでリーダーが引っ張るとまとまりやすいらしい。そうなると、チームのイメージも、このAさんならどう考えるだろうと思考が共有できるので、ぶれにくいとか。

ここらへんは、アップルの、「ジョブスならどうするか」っていう考えと似ていて面白かった。

ご意見ボックスとUIの改善

クックパッドのアプリには「ご意見ボックス」なるものがあるけど、これを実際にどうUI改善に使ってるかという話が面白かった。

ご意見ボックスは単純に、顧客の要望を集めるっていうイメージがつきそうだけど、ユーザの求めているものを実装していくとひどい製品が出来上がるのはよくある話。

これは定量データではなかなか把握できないユーザの行動データを分析するのにとても役立ってるみたいです。

例えば、アンドロイド版のUIでカテゴリ機能をつけたけど、ぱっと見ではその機能があるかどうか分かりにくかったと。カテゴリ機能があるのに、ご意見ボックスから「カテゴリ機能が欲しい」という要望が多かったとか。

そこで、UIの改善案を社内でいろいろ練って、いくつかの最終案を実際に試してみて、最終的にはご意見ボックスから「カテゴリ機能をつけて欲しい」という意見がこなくなったことでユーザがその機能を発見してくれていると数字でわかったと。

新しいUIを考える時のステップや、取捨選択も面白かった。テスト手法は、少人数→社内で実際にテスト→特定の顧客を社内に呼んで観察させてもらう→リリースみたいな、小さくちょっとづつ定性的にテストすると。

リーンスタートアップ本にも書いてあるけど、初期段階だと十分なユーザデータが取れないから、本当に絞ったユーザから定性的なインタビューをするのがベスト。その後、定量的なデータ分析は実際にリリースした後からじゃないとなかなかできない。

僕はiPhoneアプリを作ってるので、Appleの審査を通るまで実際にユーザに使ってもらうことができないなあと思ってたら、最近参加したIOS Meetup Tokyoで経験豊富な開発者の人にTestFlightといういいサービスがあるよと教えてもらった。

Appleの審査前にユーザのiPhoneにインストールしてテストしてもらえる優れものらしい。これはナイス。