今週4冊目。累計53冊目。商売において利益を上げる方法にはたくさんありますが、その多種多様な利益モデルを勉強できる本。この手の本では定番の、何でも見透かしている系の先生と、企業の戦略部門で働く生徒によるストーリー形式になっています。
本書で紹介される利益モデルは全部で23個。この利益モデルについて読んでいった後、世の中で売られている製品やサービスと照合されていくと面白い。例えば、今日買った電化製品はどの利益モデルに当てはまるだろうとか、今日使ったサービスはどういった収益構造になってるかとか。
●ファイアウォールで利益を守れ
分かりやすい例がこの部分。例えば、バービー人形は2000円ほどで売られているのが普通。ここで、あえて1000円ほどのバービー人形を売り出す。この商品自体は安いのでほとんど利益は上がらない。では、なぜわざわざ儲からない安いモデルを売り出すか?
その理由は他社の参入を防ぐため。わざと安い価格帯も売り出しておいて、安いというだけでライバルに参入するきっかけを作らせないというもの。さらに、子供にも手が届く低価格で販売しておく意味もある。それをきっかけに商品に興味を持った親に、高級バービーを売るというプラミッド式の利益モデルにもなるから。
このように、本書ではいろいろな業種のビジネスモデルを紹介。それぞれの製品がどのような戦略にもとづいて売り出しているかを、チャオ先生と生徒であるスティーブによる対話形式で説明しています。
●世の中の製品やサービスを違った視点で観察
本書は利益モデルの辞書的な本として使えます。例えば、街中を歩いていて、ふとこの製品の利益モデルはなんだったかなーと考える。その後にこの本に戻ってきて、チャオ先生が説明していた23個の利益モデルのどれに当てはまるかを確認。
まったく同じという形式にはならないかもしれけれど、大抵は似たような形式が見つかるのではないかと。
同じように教え子と先生の対話で進む「ザ・ゴール」という本がありますが、「ザ・プロフィット」は「ザ・ゴール」ほどストーリー展開が派手ではないです。むしろ淡々と進みます。教え子のスティーブも出来すぎ君じゃないかと思うぐらい、チャオ先生の難解な問いかけに結構スラスラと答えていきます。
そういう意味で、「ザ・ゴール」よりも理解するのは難しめ。一度読んだだけでははっきりと理解できないので、やはり利益モデルのガイドブック的に思いついた時に読み返すという方法がベストな本でした。