書籍におけるユーザビリティ


本を読んでいる時、たいてい巻末に索引があります。この索引には結構重要な事が書いてあることが多いんだけど、巻末と読んでるページを行ったりきたりするのは手間がかかる。結果的に、索引は読まない人が大半じゃないだろうか。

しかしですね、先日読んだ”ハッカーと画家”は索引が同じページの下の部分に書かれている。こういう書き方をしている本はたまにあるけど、非常に見やすい。目を移動させるだけで索引を読むことができるので自然に読むことができる。

少々1ページごとの見た目はごちゃっとしてしまうけど、こっちのほうが遙かに読み手に優しいと思うんですが、なんで巻末索引が主流なんだろうか。そっちが主流になっているのは何か意味があるかもしれないと思い、しばし考えてみたが説得力のある利点が思いつかない。

世間で常識とされている事はそれなりに合理的である場合もあるけど、実はまったく不合理な慣習が生き残っている場合もまたあるわけです。キーボードの配列とか単純にタイプライター時代の慣習をそのまま引き継いでいるから、実はもっとよい配列があったりするし。

ちなみに、タイトルは「索引は巻末より同じページのほうが見やすい!」ってやったほうが一発で内容がわかって読み手に優しいのですが、ユーザビリティとかカッコいい横文字使ったほうがアクセス高そうなのでこっちにしてみた。タイトルが思わせぶりなほうが、「おお、なんだろ。。なんか凄い高度な事が書いてそうだ」とか自分は思ってしまう。

このユーザーのことを本当に考えて作るのと、訴求力を持たせるというのはしばしば相反するものかもしれない。行動経済学とか心理学を使った価格コンサルなんて、いかにユーザーの心理を操作して買わせるかをアドバイスするようなもんだし。

しかし、そういうことをやり過ぎると、いずれユーザーの反感を買って逆効果になったりもする。

「なんかユーザビリティとか書いてて、近頃話題の電子書籍とからめるのかと思ったら書いてあるのは巻末索引だけじゃないか。このブログは万死に値するな。」とか思う人がいて怒られそうです。