実店舗ではスペースに限りがあるため、いかに売れ筋商品を陳列するかが重要。でも、アマゾンなどのネット販売では必ずしも売れ筋ではないマイナーな商品が売れ続けたりする。こういった、たくさんのニッチ商品が長期的に売れ続けるロングテールという言葉を流行らせた本です。
ロングテールの考え方はわかりやすく、事例もアマゾンやネットオークションのebayなど、ネット上における様々なロングテールを紹介しています。IT関連雑誌であるWired.newsの編集長が出した本なので、bittorrentだったりネットゲームであったりと、やたらとネット関連の話題が多くておもしろい。「イノベーションのジレンマ」みたいな固いノリで読み始めたらびっくりしました。
この本を読んでいる時に、前に読んだセブンイレブン関連の本を思い出した。スペースの少ないコンビニでいかに陳列するか。あまり同一商品を並べすぎてもお客を混乱させる。売れなくてもよいから、売れ筋商品を引き立たせるために高価格商品を陳列する。こういった商品陳列の基本を詳しくコンビニ本では紹介されていたけど、ロングテールの概念はそれとはまったく違ってて面白い。
ロングテールの場合、そもそもネット販売だから陳列スペースは無限にある。そして、在庫リスクも店舗運営に比べて少ない。だから、商品は多ければ多いほどいい。でも、無数の商品を整理する仕組みがもっとも重要と書かれています。
確かに、ちゃんとオススメのものが整理されていたら、選択肢は多ければ多いほどいいのは間違いないですな。普通はお客が迷わないように店側で勝手に商品数を絞るけれど、しっかりと整理される仕組みさえあれば問題ないし。
最近、文化祭でホットドッグの出店をやったのですが、商品が3つあるだけでも買う人たちは結構迷っていた。黒こしょう、ハーブ、ミートソースの3種類だったんですが、そのまま紹介しても迷いまくりでした。スタンダードが黒こしょう、タマネギ多めがハーブ、辛めが好きだったらミートソースと紹介してようやく判断しやすくなってた。それでも悩む人はたくさんいて、個人的なオススメを紹介してようやく決定の時とか。その時々で売れてない種類をオススメして、在庫調整してたのは秘密です。
この本で書かれているように、多数の商品を選択しやすいように整理する仕組みがめちゃくちゃ重要で、商品を比較しやすく、選びやすいサイトが勝ち残るのだろうなとしみじみ思いました。アマゾンは評価が多くて参考になるし、関連商品もオススメしてくる。ヤフオクはもっと商品を選びやすくなったら凄いことになりそうです。
世の中にある様々なロングテールの事例も面白いけれど、無数の商品を整理することの重要性がこの本の一番のポイントなはず。いかに整理して、選びやすくするかについては書かれてない。ここらへんはサイト構築の細かい仕組みになりそうですな。
実はこのブログもカテゴリ分けとかめちゃくちゃ使いづらい。過去の記事にさかのぼるのもやりにくいし。改善したいけど、めんどくさくて手をつけてないという。。