【書評】眠れなくなる宇宙の話


拷問読書 今週の一冊、累計129冊目。

本書では古代の宇宙研究の歴史からはじまり、近代までの宇宙理論の発展を気軽に知ることができる。有名なビッグバン説や、最新の宇宙理論まで素人でもわかりやすいように説明されています。宇宙好きだけど、そこまで詳しくない人にオススメ。

宇宙のことを考えるとワクワクするわけです。何億光年と離れた星で、どんな文明社会が発達しているかを想像するだけでおもしろい。宇宙の広さと自分の存在を比べると、どんな悩みも圧倒的に小さいものに感じる。

だから、なにかに悩んでいる人や軽く落ち込んでいる人には、適当に宇宙の話をします。とりあえず最初は話を聞いておいて、「まあ、気持ちもわかるが、宇宙の広さを考えると、地球なんてゴミみたいなもんで、その中のお前の存在はチリみたいなもん。だから、お前の悩みなんて小さすぎるから悩むのは損!」と、こんな感じでまとめるわけです。

ただ、宇宙の研究は私たちの生活にそれほど役にたたない。宇宙の構造に対する様々な説も常に変わり続けている。莫大な予算がかかる宇宙開発プロジェクトよりも、貧しい人々を救うべきだという声もあります。

じゃあ、なぜ人間は宇宙のことを研究するのか。それは人間が本来もつ「知りたい」という欲求を押さえられないからだと本書では書かれている。また、人間は非合理な行動をするけれど、本来は合理性を追求したがる動物らしい。

だから、神が人間を作ったという説や、地球の果てまでいくと大きな滝があってそこで海は終わるといった話に納得できない人が出てくる。その人たちはどうしても合理的じゃない説明に納得できない。万有引力を発見したニュートンや、地球は平らではないと考えたピタゴラスは人の何倍も知りたいという欲求が強かったのだろうと思います。

さらに、僕のような一般ピープルでも宇宙のことを勉強するとよいことがあります。それは、自らを客観的に見るのに宇宙の話は役に立つからです。最初の話に戻るけれど、宇宙という圧倒的な存在について考えると、自らの存在なんてチリみたいなもんなのです。

つまり、ポジティブシンキング本を読むなら、宇宙の本を読むといいのではないかと。

ちなみに、宇宙関連の漫画では「プラネテス」、「宇宙兄弟」、「度胸星」などがおもしろかった。

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