【書評】ネクスト


拷問読書今週のノルマ5冊目。累計38冊目。著者マイケル・ルイスの「マネーボール」が面白かったので本書も読んでみました。内容はネットの登場によって世間を騒がす十代の天才達を紹介するエピソードが中心。

進化が早いWEB業界において、5年以上前の話なのでさすがにちょっと内容が古い。期待していたわりに本書には「マネーボール」ほどの面白さは感じなかった。ただ、読みながら思うこともいくつかありました。

●情報化時代において、過去と未来では学習スピードの差がどんどん大きくなる

この本のテーマはこれにつきるんじゃないかと思います。オリンピックの歴史を見ても分かるとおり、記録はいつの時代も破られるためにあります。これは人類の能力が向上したというより外部環境が大きいはずです。

例えば水泳競技を例に取ると、それは水の抵抗を少なくする水着の改良であったり、水の抵抗をなくすために波がたたないように特殊設計された高速プールであったり、日々発達していくトレーニング技術だったりもします。

このような様々な要因が改良されていくため、過去の選手と現在の選手はまったく違う土俵で戦っていることになります。だから単純に記録だけで過去の選手と現在の選手を比較できないのは間違いないと思います。

そんな中、インターネットが登場したことによって、過去と現在の学習環境の違いは他の分野の比じゃないような気がします。このネクストという本を読むとそのことについて改めて思い知らされてしまいます。



●過去に例のない天才少年の登場は学習環境の差が大きい

この本で書かれている、天才トレーダー少年、天才法律家少年、天才プログラマ少年はすべてこれで説明できると思う。みんなTVやインターネットがなければ10代でここまでの知識をつけられなかったはず。

簡単な例で英語学習をとっても今と昔ではまったく違います。昔は分厚い辞書をペラペラとめくって単語を調べていたのに、今じゃWEB上のわからない単語にマウスカーソルを合わせるだけで単語の意味が出てきたりもする。昔と今ではまったく学習効率が違っちゃってきます。



●結局は常に新しいやり方を取り入れていくしかない

こうなってくると、自分がネットを定額で使えるようになったのは10代後半だから小さい頃からネット使い放題な奴らには勝てないやとも思ってしまいます。

でも、若い人達は生まれた時からネットがあるから今の20代の人よりもっと速いスピードで学習しないといけない。10年後に生まれてくる人達はもっと便利な仕組みが出来ているはずだから、さらに速いスピードで学習していかないといけない。

環境が変わるのは世の常だと思うので、その時代時代でちょっとだけ周りより先にいくことができればよいのではないかと思いました。

(まあ、それが非常に難しいことだけど。。)