【書評】スティーブジョブスの流儀


拷問読書今週のノルマ一冊目。前回、初めて読んだジョブス本が「スティーブ・ジョブス神の交渉力」。これは初めての人にとってはお勧めらしい。内容はというと、ジョブスの交渉術というか、俺様イズムというか、あまりにジョブスがひどい奴に書かれているのである意味笑える本でした。

「神の交渉力」のほうは、ひたすらジョブスの強引なやり口が書かれていたんですが、内容はエンターテイメントとしても面白かったのでジョブス本に興味が沸いてきました。ということで、池田信夫先生のブログでもお勧めされていたので本書を息抜きに読むことにしました。

内容は、「神の交渉力」に比べてジョブスのまともな部分にも焦点を当て、ジョブスの事業哲学みたいなものがよくわかる本。成功した経営者というのはたいてい誰でも個性的な人が多いのだろうけど、その中でも群を抜いているかもしれないジョブスの本は誰が読んでも面白い。

オタクのイメージが強いPCをスタイリッシュなイメージに変えたやり方や、いかにシンプルな操作性を追求するかなどのジョブスの完璧主義が本書を読むとよく分かる。

本の中ではひたすらジョブスを賛美しているだけではなくて、拡張性を削って失敗したキューブ型PCとか、書き込み型CDドライブをつけずに失敗したPCなど、哲学にこだわるあまり失敗した例も取り上げている。

最近読んだ起業家の自伝的な本は、セブンイレブンの鈴木敏文、HONDAの本田宗一郎、アップルのスティーブジョブスと3人。この3人の本の中で、まったくといっていいほど同じことを言っている部分がありました。それは、「顧客の声を聞いて、新しい製品を考えるな」ということ。

P83

自分が何をほしいかなんて、それを見せられるまでわからないことが多いものだ

この本によると、ジョブスは素人の頭で考え、新製品を作り出すことができると書いている。セブンイレブンの鈴木敏文も「顧客が本当に欲しいものは、顧客に聞いてもわからない」と言っていた。本田宗一郎は「客に欲しい物を聞くのではなくて、新しい需要は自分たちで作るんだ」と言って、大ヒット商品のカブを作った。

切り口は3人とも微妙に違うんですが、本質的に同じことを言っているので面白かった。

本田宗一郎とジョブスで違った部分は社員登用の考え方。本田宗一郎はエリートを捜すのは難しいが、平均的な技術者をたくさん集めれば数の力でライバルに勝てる。というような考え方。

ジョブスは徹底的にエリート主義。能なしは去れみたいなジャイアニズムを発揮して、ひたすら少人数制をつらぬいています。これはソフトウェア開発と車作りという、業界の違いが大きいとは思うけど、何事も少人数でシンプルにというのがジョブス哲学。ちなみに、グーグルも仕事はそれぞれ少人数のグループ単位で行うらしい。

それを考えると、教育っていうものは人数が多ければ多いほど質はどうしても低下するのは間違いないってあらためて思う。大学の大講義とかはしょうがないとしても、よっぽど教授がためになる事を話さないと意味ないんじゃないかって感じる。

P232

創造性とは物事を結びつけることにすぎない。

過去の経験をつなぎ合わせ、新しいものを統合することができる人は、他の人間より多くの経験をしているからだ。他の人間よりも自分の経験についてよく考えているからだ。

P236

どんな分野であれそこでナンバー1の人たちは、自分が枝分かれした木のひとつの枝だとは思わないだろう。

専門外の分野でも興味を持って自分の専門に生かすという能力は、成功者に共通している点じゃないかと思う。いろいろな分野を他の分野にもつなぎ合わせ応用する意識を持っていると、自然とどんな分野でも興味を持つことができると思う。

とはいいつつも、自分がギャングスタヒップホップのLIVEに参加しても長時間楽しめる姿が思い浮かびません。。