「Colorに40億円はどういうこと?」というQuoraの議論が熱い


リリースして間もないのに、次世代のモバイル写真共有サービス「Color」が約40億円の投資を受けて話題になってる。投資したのはシリコンバレーで有名なVCのセコイア。

※参考記事
「ソーシャル」概念に革命をもたらすことになるかもしれないモバイル向け写真アプリケーションのColor、大金を調達してサービス開始

「リリースしたばっかりのアプリにこの金額はどういうこと?」っていう素朴な疑問に、今もっとも熱いQ&AサイトQuoraでいろいろな人が答えてる。で、100以上のVoteを獲得したWongさんの回答が秀逸。WongさんはPayPalやFacebook出身で業界通のようだ。

※QuoraでのColor議論

Wongさんいわく、

「評価されてる回答の多くは推測の域を出てないし、真実味もない。おそらく、にわかの妄想だよ!」と挑戦的な調子で文章を初めている。
(Quoraではユーザが回答にVoteして、評価の高い回答ほど上位に表示される)

セコイアは投資対象をしっかり調査する

シリコンバレー界でも最も有名なVCのセコイアは、投資対象を凄く調査する。Youtubeに投資した時も、オフィス内の社員全員がYoutubeに登録してビデオをアップロードしまくってたらしい。そして、Youtubeが簡単に動画を共有できるという、当時に求められていたプロダクトだと確信して投資したと。

これは、今では珍しいことではないけど、当時ここまで徹底的に調査するVCはあまりなかったと。Colorでも同じことが行われて投資を決めたに違いない。

失敗した時の保険は十分かけてるはず

最近は「起業家優先」の投資ブーム。でも、エンジェル投資家ならともかく、セコイアが不利な条件で投資するわけない。十分な株式保有率やIRRの条件を要求したはず。エンジェルラウンドと違ってどれも起業家には不利な条件。

Colorはタレント揃いだから買収もされやすい

Colorの創業者達はgoogleとか有名な企業出身の面々。それも従業員がすでに27人ぐらい。Colorが完全に失敗に終わったとしても、他の巨大IT企業に買収されるシナリオが描きやすい。失敗したとしても50億ぐらいでexitできるだろう。Color側が20億使って上手くいかずに買収されたとしても、セコイアは投資額ぐらいは買収できそう。

Colorに必要なのは贅沢なサーバ資金

優秀なサービスが、クラウド上でスケールする段階で失敗するケースは多い。大規模なクラウドステージに移った段階で、いけてるサービスがGoogleやFacebookの巨大な資本と競合して敗北するケースは多い。

クラウドサービスには巨額のサーバ代金がかかるからだけど、写真共有アプリのColorにも贅沢な資金は重要。セコイアはYoutubeなど豊富な経験があるし、Colorチームも経験豊富なタレント揃い。金額からAラウンド通り越して、Bラウンドのレベルだけど、Colorのタレントや従業員の人数からして、セコイアはColor側はその価値があると判断した。

Colorの弱点はUIだけど、すぐ改善されると思う

ColorはUIが分かりづらく、ほとんどの機能が説明されてない。UIを改善したバージョンが近くリリースされたら、もっと多くのユーザーを取り込める。サービスの改善は彼等の得意とするところだから大きな心配はいらない。

と、こんな感じでWongさんが熱く語ってくれてるので、僕もいろいろと勉強になりました。しかし、Quoraは業界の有名人も実名で答えてくれるし、新しい言論空間といった形でおもしろい。こういった時、IT業界が時代の先端を行くと考えると、政治とか、他の分野も近々同じようなことになるのかも。

※関連記事
Quoraがニュースメディアになる可能性
ベンチャーキャピタルファンドにIRRは不向き?