【書評】誰のためのデザイン?


拷問読書今週3冊目。累計109冊目。ドアのノブから自転車、ファミコン、部屋のスイッチまで、身の回りにある道具の問題点を掘り下げた本。この本の評判はいたるところで聞いていたけど、期待以上にいい本でした。もう一度読む価値ありと思わせられる、おもしろい本。

認知科学者のデザイン原理という副題にあるとおり、この本は綺麗なデザインを解説しているようなものではなし。使いやすい道具とは、使いにくい道具とはなにかと、普段の生活で使う道具をデザインの視点から解説している。

部屋のスイッチを押し間違えたことは誰にでもあるはず。直感的にわかり、初めてでもどのスイッチを押せばどこの電灯がつくか誰にでもわかる。こういうものはデザインがよい。逆に、何年も同じ家に住んでいるのに、何度も間違えるようなスイッチはデザインが悪いと書かれています。

形を変えたり、図を付け足したりするなど、ちょっと工夫すれば使いやすさが驚くほど口上する事例を本書ではたくさん取り上げている。重大な事故につながるヒューマンエラーも、原因をひもといていくと、ミスしやすいデザインで作られていたものが原因なことが多い。

この本を読んだら、普段目にするいろいろが直感的に理解しやすいか、ミスしないような作りになっているかを意識するようになると思う。

もっとおもしろいのは、なにかを使っていてミスした時。今までなら、「ああ、なんて俺はバカなんだ!また操作を間違えた!」というところが、「また操作間違えた。デザインが悪すぎる!」とデザインのせいにすることになること間違いなし。

こういったデザインをすごく意識している会社といえば、アップルがすぐ思いつきます。Ipohneとかも画面をタッチするという、わかりやすさを追求した製品だし、Ipodもスイッチを最小限に抑えて直感的に操作しやすい作りになっている。

使いやすさとデザイン性はバッティングしやすいのですが、この2つを兼ね備えた道具は神の域ですな。そういや、アップルはキーボードの無いノートパソコンとかを開発しているらしい!