[書評】大作家“ろくでなし”列伝


拷問読書

息抜きの読書として、気軽に読めて面白い。世間ですごいと言われている人は極端に変な人が多いのですが、教科書に出てくるような大作家の変人ぶりを紹介する本。ほとんどの登場人物は、変人というよりも人格破綻者扱いされていて楽しい。

ひたすらギャンブル中毒のドストエフスキーとか、女に対してひどい扱いをする川端康成のエピソードなど、有名作家たちの最低っぷりを楽しめる。こういうのを読んでいると、なにかを成し遂げた人には、周りに迷惑かけまくっても自分の好きなことを選択するという極端な集中力を持つ人が多いなあとあらためて思います。

こういうエピソードでは、新婚初夜に結婚したのをすっかり忘れて、研究室で研究に夢中になってしまったエジソンが一番印象に残っています。スティーブジョブスも本気でヤバすぎる性格しているし。

とはいえ、ここまで最低人間にならなくても一義を成し遂げた人はたくさんいるので、これに影響されてますますわがままにならないようにしようと気をつけるしだいであります。

ちなみに、この本の序盤の文章がかなりいい。「まずはじめに言っておくが、圧倒的な才能の差は間違いなく存在する。努力ではとうてい埋められない壁というものは文学の世界でこそ顕著に表れる」といったようなことを、しょっぱなから断言してて気持ちよい。さらにその後、文豪たちの変態っぷりを見せつけられると、これはかないませんわとなるわけです。

以下の2冊は、エジソンやジョブスがいかに人格破綻者かということがよくわかる、非常にさわやかな本です。かなり面白い。

拷問読書 拷問読書