拝金とメディアの支配者


ホリエモンの初の小説である「拝金」を読んでみた。当時のライブドア騒動とリンクしたノンフィクションなんですが、その背景を知ってると結構面白い。小説としては読むと内容が薄いので、当時の回顧録という意味で読むと見方が変わっていいと思う。

主人公が携帯ゲームのビジネスモデルを考えるところとか、記者クラブ制度や電波オークションを実施せずに既得利権を守るマスコミにひたすら文句いうとことかは最近の、池田信夫氏のブログで盛り上がってる部分とリンクしたりしてる。

特に、「メディアの支配者」で書かれていた昔のフジテレビのお家騒動のネタが出てきてここが一番いい。フジサンケイグループは元々、鹿内一族が牛耳っていたんだけど、今の社長の日枝氏がクーデターを起こしている。

その後、鹿内一族を完全に切り捨てるために複雑な株式の形式を持つようになったフジサンケイグループの弱点を突いて敵対的買収を仕掛けるところとか、当事者が当時を思い返して小説にしているんだなと思うと楽しい。

ホリエモンの本はたいてい立ち読みで十分なぐらいのハウツー本だとは思うんですが、「徹底抗戦」だけは当時の留置場の話とか、検察への恨み辛みのエネルギーがうねってて最高でした。この本は、「徹底抗戦」をめちゃくちゃ薄めて読みやすい小説にしたって感じです。

ちなみに、ここまで世間体を気にせず本音をバシバシ発表するのは本当に凄いと思う。だからこそブログも面白いのかな。
メディアの支配者 上拝金徹底抗戦