スギちゃんアプリのマーケティングが凄い





僕は遅ればせながら最近スギちゃんにハマっているんですよ。きっかけは、Youtubeの動画でスギちゃんのネタを見て、腹を抱えてわらったからであった。





ひょっとしたら、スギちゃんのiPhoneアプリあったら面白いんじゃないかなあと思って、検索してみたら、あった!


そして、このアプリのマーケティングが今までのiPhoneアプリの常識を覆すものであって、凄く衝撃を受けた。


このブログを書きながら知ったけど、「スギちゃんのおせばしゃべーる」というアプリは有料総合ランクで一位を取ったらしい。



スクリーンショットは一枚






普通、アプリのスクショって最重要ポイントであり、ここにどんなアプリかをわかるようにしないといけない。


しかし、このアプリは全然どんなアプリか内容がわからないスクショが一枚あるだけ!

逆に、これがどんなアプリだろうとワクワク感を抱かせる事に繋がっていると思われる。ただ、これはスギちゃんという人気キャラをみんなが知っているからこそ使える方法なのであるが。

それでも、この手抜き感満載のスクショ一枚が逆に効果的となっているのは、次のくだりを読んでもらえると分かると思う。


レビューが面白いから買う


このアプリで一番面白いのは、レビュー欄である。とりあえず、iPhoneアプリを吟味する時、みんなスクショ見た後に、レビューを見ると思う。

このレビューがすげえ面白い。

こんな感じ。




みんな、レビューで「想像通りクソアプリだったぜ〜」とか言って、嬉しそうに★5をつけてるんですよ。なんだこの従来の常識を覆すマーケティングは!


レビューを読んでいると、みんなスギちゃん用語で自分もレビューを書きたくなり、アプリを買っているのが分かる。


普通、シロートが面白いことを書こうとしても、あまり上手くいかなかったりするんだけど、スギちゃん用語で書かれたレビューの数々が結構面白い。


スギちゃんのネタには、一種の文法があり、「だぜ〜」を語尾としてつけて、最後に「ワイルドだろ〜」と閉めれば、大抵の話が面白くなってしまうという魔法のような効果があるのかもしれない。


ワクワク感の演出



このアプリの場合、スクショを5枚出して、どんなアプリの内容か分かるように売っていたら、ここまでみんなダウンロードしなかったと思う。


レビューを見た後の、「どんなクソアプリなんだろうか?」というワクワク感が半端なく、自分が買った後は、「あれ、思ったよりちゃんと使えるじゃないか」とがっかり感まであったぐらいである。

ちなみに、面白かったレビューが、「アップデートで使いやすくなったぜ〜。逆にアップデートで使いづらくなったほうがネタになったのに残念だぜ〜」というものであった。


「プロダクトがないほうが資金調達しやすい?」というエントリでも書いたけど、夢を売ると人間は食いつきやすい。

実際の具体的なものが分かってくれくるほど、最初は食いついていた人達が、どんどん冷めやすいのは人間の心理だと思う。


これはマーケティグの話で、逆に言えば、プロダクト開発では最小限の機能しかない段階で、熱心に使ってくれるユーザを作るのが本当に重要な一歩


プロダクトが出来てない段階だと、こんな感じのティザーサイトだけのほうが、誰が作ってるか、誰がプッシュしているかの副次的効果の影響しだいで効果的なはずだ。


というわけで、僕もマーケティングの時は、あまり見せすぎないという事と、ワクワク感の演出というものを考えようと、スギちゃんアプリを見て勉強になりました。


※追記

VCへのピッチ時は別として、製品への過剰な期待をユーザにさせてしまうと逆効果のデメリットのほうが高いから、将来的な機能追加のワクワク感をユーザに約束するのはよろしくないでの注意! 参考記事 アップルとリーンスタートアップ

あと、従来の常識に捕われてはいけないっていうのも重要ですよね。

まあ、スギちゃんアプリのレビュー効果は偶然の産物だと思うけどw これは狙って作ったもんだったら凄い。ポニーキャニオンすげえってなる。




Github社の働き方は凄くプログラマ・フレンドリー




田口さんの「Githubではなぜ人が辞めないのか?」という記事がたまたまFacebookで流れてきた。

なんと、一人も従業員が辞めてないのは凄い。本当かと思って資料見たら、創業5年で108人も従業員いるのに本当に一人もまだ辞めてないらしい。

これは本当に凄い、Githubが大いに参考にしたであろう37Signalsでさえ数人のミスマッチがあって辞めた人はいるのに。まあ、37Signalsがこういう働き方を広めて、いろいろトライアンドエラーがあったのだろうけど。

さらっと、”How Github Works”というスライドを見たのけど、こういうスタートアップが日本でもっと増えてほしい!もっとやれ!と思ったので、紹介してみる。(ちなみに、海外はこういう会社どんどん増えてきてるみたい。こうしないと、みんなすぐ辞めちゃうのもあるのだろう。)

会社によってベストな方法は違うので、全部猿真似しても上手くいかず、結局は自分で考えて最適だと思う事をすればいいのだけど。

と、最初に逃げ道を用意しておく。



働く時間を決めるのはアホ




9時-5時の就業形態は上手くいかない。クリエイティブなコードを書くのは、クリエイティブな挑戦だ。クリエイティビティを9時-5時の間に意図的に起こすことはできない。


生産的な時間はそれぞれが自分のゾーンに入った時起こり、早起きした時、夜遅く、普通の時間帯など、人によってバラバラ。



これプログラミング経験者ならみんなそうだろうけど、一人で静かで、邪魔の一切入らない長い時間っていうのがないとはかどらないんですよね。


プログラミングに限らず、会社でも、他の従業員がいなくなった深夜に一人で作業する時が一番集中できるとか、朝早く誰もいない時が一番はかどるとかよく聞く。


それなら、会社は非生産的な環境を作り出す悪の元凶じゃないかみたいなことを、37Signalsとかがよく言ってる。



長時間労働は破滅への道



徹夜作業は、精神を衰弱させ、コードの質を低下させ、質の低いコードが将来のコードに影響して、バグを発生させる可能性を指数関数的に増加させる。


僕も、ルーチンワーク的な作業をやってる時は、結構長時間でも続けてられるんだけど、本当に頭使うプログラミングを考えてる時は、頭がスッキリしてるとすぐ解決するのに、疲れてると、だらだらといつまでもできなかったり。



従業員を信頼する




従業員が一番の成果を発揮できるようにしたい。そのためには、従業員が幸せで、健康で、クリエイティブでないといけない。そのためには、雇った従業員を信用して、助けて、その後に、仕事を評価する。



結局は、ここが一番難しいところだと思う。放任主義には信頼が必要で、見張ってないとサボるんじゃないかってみんな心配する。


ちょっと話はずれるけど、自分がもし将来フリーランス雇う時は、時給制で、時間の計測は信頼するから勝手に計ってくれっていう形式がいいんじゃないかなと最近思った。


ソフトウェアの工数に見積もりなんて土台無理ですよね。よっぽど簡単なモノじゃない限り。時給じゃないと継続的なコミットも自分からの提案もしないだろうし。


この機能にいくらっていうと、発注側のリスクは一見低くなりそうだけど、やる側としては、いかに最短でOKの出る程度の完成品を作るかに集中すると思う。


まあ、ここはやったことのない自分の妄想なので、実際のところどうなんでしょうっていうのを経験ある人に聞きたい。


確か、孫正義さんが学生時代に教授陣を巻き込んで、製品を作った時は、こんな感じだった気がする。あれは、時給も自分で決めてくれていいから、成功して売れたら払えるよという凄いオファーだったけどw


以前、学生ベンチャーのスタートアップのオフィスをちらりと見た事があったけど、創業者の人の机が後ろにあって、その前にインターンの二人がモニタみながら作業してるんですよ。みんなの向きは一緒。


これは、前のインターンの二人がサボってたら、後ろからすぐに分かるぞみたいな意図でこの配置にしたんだろうけど、この配置で絶対働きたくないなと思った。


仕事中にツイッターとかしたら後ろから怒られそうな雰囲気がぷんぷんなんですよ。

仕事中の息抜きにツイッターやろうが、ムラムラしたらオナニーしてスッキリしようが、その人の生産性をマックスにする方法はその人が知ってるから、それでいいですよね。特に、後者は一人の時じゃないと無理ですね。



世界中からリモートで働く


場所も自由で、ミーティングもないから、時差と場所に縛られず、世界中から優秀な人材を雇える。引っ越しとか、家庭の事情で従業員が辞めにくい。


これは、日本から世界に通用するスタートアップを作るぜ!と思ってる人は凄い重要なんじゃないだろうか。だって、シリコンバレーなんてビザないと無理だし、給料も高いし。


リモートで世界中から集まったチームをマネジメントするスキルというのがこれから、凄く重要になると思う。ローカルにこだわらずに、ベストな人材を雇えるという意味で。


こういうと、マネジメントしないっていうのがValveとか最先端の主流だよと言われそうだけど。


でも、一緒にいるっていう事の価値も計り知れないものがあるから、ここらへんは悩みどころだと思う。


だって、なにげなく、休憩してる時のおしゃべりの最中にアイデアが生まれるもんですよね。となると、みんなでオンラインゲームすればいいのか! うむ、このへんは難しいところであります。



仕事の邪魔をしない




定例会議はなし、会議はとにかく減らす。何か用がある時は、その人がゾーンに入っていてプログラミング中だと邪魔したらダメだから、基本はチャットを送信しておく。で、好きな時に返信してもらう。

マネージャーは邪魔なだけだからいない。



これ、似たような事をJoelOnSofwWareっていうStackOverFlow作った人のブログで、興味深い事を書いてたのを思い出した。


「ある分野でわからない事があった時に、同僚のプログラマなら5分で答えられるとする。その時、その同僚に聞くべきか、もしくは、自分で聞かずに20分ぐらいで解決するか。」


みたいな話。


簡単に結論を紹介すると、プログラマがゾーンに入ってる時に、邪魔されると、もう一度ゾーンに入るためには、30分から一時間かかることも珍しくない。


そのため、同僚の質問を5分で答えられたとしても、その人がまたゾーンに戻るために30分以上かかるから、結果的に全体の生産性が落ちる。


なので、同僚がすぐに答えられそうな簡単な問題でも、自分でちょっと頑張れば解決できそうな場合は、ゾーンに入って集中している同僚の仕事を遮るべきではない。

というような話で、なるほど、これはなかなか説得力あるなと思った。



さて、ここまで書いてみたけど、言うは易しで、実行するのはそう簡単に行かない事がいっぱいあると思う。


例えば、チャットだと好きな時に返信すればいいから、邪魔されないっていっても、すぐに返信したら、その後すぐに返信が続くのが期待されちゃうなあとか、いろいろありますよね。細かすぎるかもしれないけど。


日本では、こういう仕事のやり方を取り入れてるので自分が知ってるのは、ソニックガーデンとかゼロベースかな。後は、YCombinator出身で日本にオフィスがあるGinzaMetricsもこれからはローカルにこだわらないほうがいいと言ってた。




プロダクトがないほうが資金調達しやすい?




先日、プログラミングの師匠であるエランさんと久々にスカイプで話した。

ちなみに、エランは日本語とプログラミングのスキルエクスチェンジを一年間スカイプでやった関係である。

2年半前にPHPを独学で勉強し始めた時に、壁にぶちあたり、その時に日本語教えるからPHP誰か教えてと海外のPHPの掲示板で募集してみたら、親日家で年齢も一緒のエランがたまたま見つかったという経緯。

いやあ、今iPhoneの師匠をしてくれてるマシューもそうだけど、この時もやたらハイスペックな師匠が見つかって凄いラッキーだったと思う。

今、エランはBinpressというプログラミングのライブラリのマーケットプレイスを作るスタートアップをシリコンバレーでしている。彼はイスラエル人でイスラエルからアメリカに一年前に来たんだけど、アメリカで生まれたからグリーンカード持ってるらしい。いいなあ。

あ、ちなみに、エランの会社は今をときめく日本のスタートアップ、Wantedlyの仲さんがMagajinというサービスを作った時に開発を担当していたという経緯もあったり。関係ないけど、Wantedlyって本当にいいサービスですよね。

とりあえず、エランさんの紹介はここで終わる。



やっぱシリコンバレーはよいらしい

さて、シリコンバレーにイスラエルから移ったけど、そっちはどう?とか、そこにいる価値ってやっぱ凄いの?みたいな事を聞いてみたら、いろいろ話が面白くて、思った以上に話が長引いた。

一番面白かったのは資金調達の話なんだけど、シリコンバレーにいるとコネクションが半端ないよという話について書いてみる。

シリコンバレー以外の国でもスタートアップはできるけど、やはりスタートアップするにはベストな場所だと実感したらしい。なぜかというと、コネクションの広がり方が段違いに違うと。

例えば、シリコンバレーでサービスの話をするために誰かと会ったりすると、その人が自分のサービスに関係する人を5人教えてくれて、教えてくれた人に会ったら、また関係性のある人を5人教えてくれたりすると。

自分たちのサービスを進める上で重要なコネクションや、アドバイスを得られるスピードがイスラエルにいる時とは段違いで、イスラエルで2年かかった事が、こちらでは数ヶ月で進むみたいな感じらしい。



資金調達の話

それでは、ようやく資金調達の面白いパラドックスの話に移りたい。

ここまで引っ張っておいて、たいしたことないかもしれないけど、その時はご愛嬌ということで許して頂きたい。

これはエラン自身のスタートアップの経験や、周りの友達から学んだ事らしいけど、資金調達をする時は、プロダクトがない、もしくはβバージョンの初期段階のほうが簡単らしいのだ。

プロトタイプがないと厳しいんじゃないかと直感的に思ってたのだけど、ある程度のレジュメや、チームの実績があれば、プロダクトを作って実際の現実が明らかになる前に夢を見せたほうがいいらしい。

これはエランのお友達の話らしいけど、まず彼はあるサービスのβバージョンを小さく始めるために作って、ある程度のユーザも確保してたらしい。

しかし、この段階で投資家から資金調達しようとすると、そのサービスができ始めるとどうなるかという実際の現実が見え始めるため、よほどのホッケースティック的なユーザ数や利益の伸びが見れないと、現実を見せられた投資家は乗ってこなかったと。

そこで、次のサービスは実際のプロダクトのデータが取れるところまでは作らずに、チームとしての実績と将来はこうなるみたいな夢を売るように方向転換したら、すんなりと資金調達が成功した。やったあ。となったらしい。

Colorみたいに、プロトタイプを作った後に速攻で資金調達するのが一番いいのかも。数ヶ月して、実際のユーザデータとかわかった後だと夢が崩れる可能性が高いから。



プロダクトへの投資は大変

この話はなかなか面白い。YCombinatorの方針にもあるとおり、最初の投資で重要なのはチームであって、人間を重要視する。その時は、プロダクトはどんな形にも変化するだろうから、無限の可能性が広がる。

でも、ひとたび、その人達がサービスを作り始めて、凄い勢いでサービスが伸びない時、堅調ながら、比較的ゆっくりな成長を見せた時でも、現実を見せられた投資家側としては、投資する気持ちのノリが薄れる事が多いそうな。

かといって、エンジェル投資家側からすると、実際のプロダクトができて、サービスも凄い勢いで伸びた状態だと、安い投資額で株式はもらえないだろうから、初期状態に投資するにはこれでいいのだと思う。


とにかく、プロダクトに投資するには相当の説得力のある現実的なデータが必要なため、チームに投資するほうが楽ということらしい。なるほど。



Binpressについて

ちなみに、エランのBinpressはスノーボールのように確実に成長をしつつ、利益をあげていて、まだ自己資金で進めてるようです。

VCマネーなしで進めてるのは凄いなあって言ったら、シリコンバレーでも、Instagramとかセクシーなスタートアップが有名になるけど、実際は地味系のほとんどのスタートアップが自己資金でやってるよって言ってた。

iPhoneのコンポーネントだけ見てみたら、一年前に比べてものすごい数のライブラリが並んでいた。これは未来を感じる。


CocoaControlっていうサイトをiPhoneのライブラリ探す時によく見てるよって言ったら、そのサイトの運営者もお友達で、一緒に協力したりしてるよって言ってた。

これも、シリコンバレーのコネクションの力なのか、恐るべし。



有料アプリの課金モデルで大切なこと


有料のiOSアプリをリリースする時、無料バージョンもリリースする予定なら、とても悩む事がある。

それは、「無料+アプリ内課金」モデルにするか、「有料版、無料版2つ出す」モデルにするかということです。これは凄く悩ましい問題で、どちらも一長一短があります。

そして、とても重要なこととして、後から変更する事は非常に難しいので、最初にしっかりとメリット、デメリットを認識しておかないといけない!

これは、起業のファイナンスを書いた磯崎さんの言うところの、「スタートアップの資本政策は最初が凄く重要なんだけど、最初は誰もが経験がないから、取り返しのできない失敗をしやすい。」というのに凄く似ているのですよ!

僕も、Lisgoを作りながら悩みに悩んだので、その時分かったことをまとめたい。

基本的に、ガチャとかコンテンツ提供のアプリではなく、機能制限ありの無料版と、有料のフルバージョンというアプリを想定した話となります。

無料+アプリ内課金モデル

アップルが、アプリ内課金の仕組みを導入してから、無料版と有料版を出すより、こちらで出してねというのが一応アップルの方針らしい。最近のアプリはこのモデルが多くて、主流になりつつある。

メリット1
有料版と無料版にアプリが分散しないので、ユーザが無料版使っていいなと思った時に、もう一度アプリをダウンロードする事なく、すぐにアップグレードできる。

ユーザは究極のめんどくさがりやさんと想定して、UXは設計すべきなので、この移行のスムーズさは大きなメリットです。


メリット2
ダウンロード数が分散されないので、総合ランキングで有利。

※Top Grossingは無料+アプリ内課金と有料版合わせて、一番儲けているアプリのランクなので関係なかったです。スンマソン。

さて、それならば、問答無用でみんながみんなこのモデルになってそうなものですが、実際はそうでもない。いくつかデメリットが。。

デメリット1
まず、有料版のメリットである、値下げセールというのができなくなる。ちょっと値下げしただけで、値下げアプリをトラッキングしてるサービスとかに引っかかって一時的に売れたりするから、有料アプリはセールを定期的にやったりしております。

デメリット2
有料版を無料で特定の人にあげる時に便利なプロモコードが使えない。ブログで書いてもらう時とかに、ブログ主が実際にアプリ内課金でアップグレードしないといけないので、これは痛い。

デメリット3
また、サーバコストがかかるアプリなどの場合、後々、無料版はストアから引き上げて、有料版だけ提供したいとなるかもしれない。その時も、アプリ内課金でアップグレードした人だけ有料版使えるようにするとかはできない。

ちなみに、アプリ内課金を購入しなかった無料ユーザも全て、有料版に移行させるのは問題ない。そういう意味では、「有料版」➡「無料+アプリ内課金」への移行より簡単かもしれない。

※StackOverFlowの参考リンク

デメリット4
もっと突っ込むと、フリー版のレビューというのは荒れやすいのですね。逆に、有料版のレビューは本当に吟味して買う人が多いので、総じてみんなちゃんと試して評価してくれる。このレビューが混ざってしまう。

補足
ちなみに、アプリ内課金の実装が面倒なので、素早く有料版だけとりあえずリリースしたいという場合もあるかもしれない。でも、MKStoreKitとか使うと結構簡単にできる。まあ、それでもいろいろ慣れないうちは面倒なのだけど。

無料版と有料版2つ出すモデル

アプリ内課金の仕組みが出来る前は、これが主流でした。

メリットデメリットは、「無料+アプリ内課金」モデルの部分を読んでればそのままなので、スルーしようかと思ったけど、適当にまとめてみる。

メリット1
セールが出来る。

メリット2
プロモコードが使える。

メリット3
後から有料版のみに移行したりできる。

デメリット1
無料版試したユーザが、有料版をもう一度ダウンロードしないといけない。

補足
二つのアプリを提供するので、ストアのキーワードをABテストしたり出来るかも。

後からモデルを変更するのは困難

ここからが大事なとこなんですが、そもそもの問題として、AppStoreには、二つのモデルを後からスムーズに移行する仕組みがないのですよ。特に、「有料アプリと無料アプリ」➡「無料+アプリ内課金」への移行。

これは、iOS6でも変更の予定はないみたいだし、iCloudでも解決できない。(もし、いい方法があるよという方、ぜひ教えてくだされ)

例えば、佐藤君が有料アプリを普通に一つだけリリースするとする。その後、思った以上に有料版を誰も買ってくれないため、お試ししてもらうために、無料版を出したくなるとします。

この時、「無料+アプリ内課金」モデルを選びたくても、現在の有料アプリを買ってくれた人がお金を払わずにスムーズに移行するという仕組みがない。

アプリ端末にKeychainで有料ユーザという記録を保存しようとしても、そのコードを入れたバージョンを後からリリースするわけで、既存のユーザがちゃんとみんなアップデートしてくれて、その記録を端末に保存してくれるかは確実ではない。(iCloudでも同じような問題が)

※StackOverFlowの参考リンク

ちなみに、BoxCarというかなり有名なアプリが、有料アプリから、「無料 + アプリ内課金」に変更した事がある。どういうふうにやったのかと去年メールで質問してみた。

※BoxCarの紹介記事

すると、「BoxCarを使うにはユーザ登録が必要だから、そのデータを使ってある程度カバーできたけど、それでもちゃんと移行できない以前の有料ユーザも出てくるから、いろいろと大変だった。」と教えてもらえました。

他にもメリット、デメリットがあるかもしれないけど、後からの移行は大変なので参考にしてください。


アップデートしたアプリが起動直後に落ちる問題が発生中。ストアの障害!?


正常にサブミットして、アップルのレビューも通過したはずのアプリが、起動直後に落ちるという深刻な障害が発生してる模様です。

Instapaper作者のブログによると、7月3,4,5日にアップデートをリリースした、たくさんのアプリが被害にあっている模様。

アプリを削除して、インストールしなおしても、アップストア上のファイルが壊れてるので、ユーザは元に戻す事ができず、開発者もお手上げの状態になってしまう最悪の状態。泣きそうですね。

サブミットしたアプリを手動でアップデート設定をしているなら、しばらくアップデートは様子見したほうがよいかもしれません。無実の罪で★1のレビューをつけられる開発者が続出してるようです。

Instapaper作者、マルコ氏のブログには、この被害にあったアプリのリストを掲載して、アップルに注意を向けてもらうよう呼びかけているみたい。Pairや、TEDなど有名なアプリもたくさん。
Corrupt App Store binaries crashing on launch

こちらは、問題を報じるAppInsideの記事。
Developers suspect App Store mix-up led to corrupt binaries

Mashbleでも記事になってた。
Corrupt Apps Flood iOS App Store

Mashableの記事によると、問題はFairPlayっていうアップルがコピープロテクトのために導入した機能が原因なんじゃないかって書いてますね。エラーコードとか、症状を見る限り、そんな感じだとか。

同じアプリをインストールしても問題なかったユーザもいるみたいで、問題が発生するのは、インストールした時間と、地域にも関係するようで。


Twitterで “アプリ 起動 落ちる”と検索すれば、日本のアプリも被害に合っている模様。


使いやすいiPhoneのUIを作るために気をつけていること


反復に敏感になる

ゼロベースの無料相談室にお邪魔した時、石橋さんに言われて最も印象に残っていたのが、「反復に敏感になる」でした。この言葉はとても衝撃的で、僕のUI設計の考え方に大きな影響を受けました。

「よいUIのiPhoneを作るためには、自分が毎日使うアプリを作ること」と素晴らしき言葉を深津さんはonLabのイベントで言っていた。

これに加え、自分でアプリを触っている時に、第三者の視点で自分が無意識に面倒な動作、使いづらい動作をしていないかをチェックする心がけが使いやすいUIのアプリを作るのにはとても役立つ。

つまり、自分が何回も使っているアプリだと、一連の動作に慣れてきてしまい、本来ならば面倒で自動化を考えるべき一続きの動作を高速で行えるようになるので、その動作が面倒だという認識がだんだんと薄れてしまっていく。

例えば、テキスト画面のフルスクリーンの切り替えであったり、フォントの大きさの調整までのステップであったり。工夫をこらせば2ステップのタップやスワイプで実現できる部分を、反射的な動作に慣れきってしまい、3ステップかかってても不便さを意識できないままだったりする。

かといって、自動化することでユーザの望む細かい動作が不可能になったりする場合もあるので、実際にコーディングしてUIをいろんな状況で触ってみないと判断が下せなかったりもする。

様々な状況でアプリを使う(家、外、昼、夜、歩きながら、寝ながら、etc)

Webサービスと違い、iPhoneアプリだと日常の様々な状況、姿勢、握り方で使うため、ボタンの配置の最適位置も状況によって変わる。

例えば、GoogleReaderアプリで、記事画面から前のリスト画面に戻るボタンは左上にある場合が多いけど、左利き、右利きの人でそのボタンがタップしやすいかが変わる。

さらに、寝転びながら落ちないように持ってるがっしり握る系の持ち方と、立ちながら支えて持つ方法でも、ボタンまでの指の距離が大きく変わる。

そんな時、スワイプで戻る機能を追加したり、逆にスワイプを有効にすることで誤動作が起きやすくならないかをチェックしないといけない。

僕みたいな引きこもりは、たまには外に出て様々な場面でアプリを使うのも重要であります。地下鉄に乗った時、電波が断続的に途切れる時の挙動、ポケットに閉まったり、持ち直したりした時に使いやすいか。

歩きながら画面を見ていると、座って静止した状態で画面を見ている時よりも見づらいので、大きな文字サイズのありがたみが身にしみる。

Lisgoの場合、車に乗りながらのテストがなかなか日常的に出来ないのがつらい。

他の人に触ってもらって観察する

ユーザビリティテストは完全に第三者の視点になれるから効果的だけど、そんなに長い時間を何度も何度もかけられないので、まずは自分で第三者の視点にたってアプリを使う自分を擬似的に観察するのが重要となる。

でも、もしユーザビリティテストが出来るチャンスがあればあるほど素晴らしいです。

自分のアプリを他の人に触ってもらう時は、使い方を逐一教えないで観察する。少しは動作の目的を教えないと進まない場合でも、達成してほしい項目だけ伝える。

「これどうやるの?」って聞かれても、出来る限り、どうやるかはすぐに教えないほうが、目的をユーザが自然に達成できるようにUIが作られているかがよくわかる。

ユーザビリティテストでは、「使いながら思ってる事を出来る限り口にしてもらう」とか、「使いづらいところをどんどん伝えてもらう」というのが理想だけど、普通の人はなかなかそこまで自分の考えをリアルタイムにべらべら話せないし、遠慮して、否定的な意見もあまり言わないと思う。

なので、黙って自分のiPhoneアプリを弄ってもらっているところを、横から観察するしかない。

この時、自分も見えるように、机の上にiPhoneを置いてもらって観察するのではなく、普段と同じように持ってもらって、自分は後ろから回り込んで覗き見するように観察したりする。

補足

ちなみに、最短で目的を達成させる効率的なUIを採用することによって、初心者にとっての分かりやすさが失われたりもするので、トレードオフが発生するか注意しないといけないので難しい。

また、TweetBotで有名なTapBotは、最短で目的を達成させるより、使ってて気持ちよいUIを目指してアプリを作るらしい。

極端な例だと、なめこ栽培のアプリなんて、ひたすら反復動作の繰り返しだけど、あれが気持ちよいからみんなやるので、ゲーム系じゃないアプリでも使う時の気持ちよさはこれからどんどん重要になると思う。


iPadTodayでLisgoが紹介された喜びと、Wordioという競合アプリ


なんと、Lisgoが米国のアプリ紹介番組、iPadTodayで紹介された!この番組はオバマ大統領も、タイソンも、徹子も見てるとか。いやあ、めでたい。(52分頃に出る。実はネットテレビ) http://twit.tv/show/ipad-today/102

最近なんかアメリカでいつもより調子がいいなあと思ってたら、二日前に突然USのニュースカテゴリで28位ぐらいになったんですよ。「なんだこれは、もうちょっとでランク入ってたのにクソ!」って思って、速攻で検索しても原因が分からなかったけど、友達が紹介されてたよと教えてくれた。

僕はおかんという変わった名字のエンジェルに大学卒業まで投資を受けてるのですが、そろそろ利益だせよ、はやくマネタイズ考えろよ、金返せないなら臓器売るか?と日々鬼のようなプレッシャーに晒されているので、今度の電話役員会議ではよい報告ができますね。

そういえば先日、見知らぬ人から幸せを呼ぶ幸福の壷というのものを買ったから、その効果がすぐに出たんだと思う。この調子で、AngryBirdを抜いてUSチャートで半年ぐらい独走してくれないかな。

ちなみに、検索してる時に発見したのだけど、Wordioというアメリカのスタートアップウィークエンドで優勝したスタートアップがLisgoについて書いてくれてた。http://pascalwagner1.blogspot.com/2012/01/wordio-obstacles-pivots.html

Wordioは”Web記事を耳で聞こう”っていうまったく同じコンセプトのスタートアップらしい。(最近はe-bookに転向したみたいだ)
Wordioのページ http://mywordio.com/signup

この記事では、「スタートアップウィークエンドで優勝して、たくさんのメディアに注目されたけど、メディアの注目を受けることに気を取られて、実際の製品がしっかりとできてなかった。」とか書いてる。

“製品を待ち望んでる人達から「いつ頃できるの?今どんな感じ?」と言った問い合わせがよくきてたのだけど、まだまだアイデアを熟成させる段階が続いている。”と言ってて、注目を浴びる事のツラさもあるみたいだ。

TwitterやFacebookで注目されるたびに、実際よりも、周りからは順調に進んでいるように取られてしまったらしい。

その中で、「似たようなアイデアの製品はたくさんあるけど、その中でもLisgoというスタートアップの製品開発のアプローチが好きで、実際に製品も一週間に何回か使っている。」と書いてくれている。

なぜかLisgoが会社として認識されているところに、若干の誤解がある。

凄く気持ちがわかると思った部分が、「このアイデアこそが次世代のコンテンツ消費の新しい形になると僕たちは思ってたけど、最初のリリースに出来のよいものを作る事を気にしすぎた。Lisgoのように頻繁にアップデートするアプリもあるが、自分たちのスタイルには合わないと思ったんだ。」という部分。

実際、早くリリースしてフィードバック得るのが重要とは分かりつつも、Webと違ってiPhoneアプリは自動アップデートできないし、注目を浴びると、最初のリリースの印象が大きな影響を受けるのはそうなんですよね。

そして、プロダクトがない段階でユーザーインタビューしても、触ってみないとわからない部分が多すぎるし、基本的に否定的な意見や「これじゃダメだわ」っていう重要なフィードバックが想像上のプロダクトだとなかなかもらえないんですよ。プロトタイプ作るのも時間かかるけど、バランスが難しい。

テレビに紹介されるWordio

Wordioはこの後、intel主催のスタートアップイベントにベスト4まで残ったらしいけど、これの賞金がなんと100,000ドル(800万ぐらい)だった。ユーザの投票が決めてになるらしいけど、いやあ、こんなイベントがいっぱいあったら、確かに開発に集中できないな。。。

しかし、今は開発に全ての資源を投入するんだ!といって、どんどん良くなってきてるぞという実感が自分の中であったとしても、世間様からの注目がないと、周りからは「いつまでやんの?(笑)」みたいな扱いされるのもあります。この時、強靭なる精神力が求められるので、なかなかツラいとこではあります。

まあ、今回のLisgoも、一時的にはランクが上がるけど、こういうのはすぐに下がるので、ずっと使い続けられて口コミで自然と広がって実際に使い続けてくれるモノを作るよう頑張りたい。


田舎にコーワーキングスペースを


最近、コーワーキングスペースが人気である。

というのも、フリーランサーやノマドワーカーが増えてきて、1人じゃ寂しいから似たような人がいる場所で仕事したいということだと思われます。後は、他の人とのコミュニケーションを通じてつながりができたり、アイデアが広がったり。

その気持ちは凄く分かる。

僕も1人で家のソファーとかで開発してたら寂しくなるので、知り合いのiPhone開発仲間とカフェで一緒にもくもく開発したりする。フリーの人は寂しいから、十分稼いでいたとしても、人と関わるためだけに、無駄にバイトしてるというギャグのような都市伝説も聞くし。

というような人達にとって、コーワーキングスペースこそが最適解だと思っていた。しかし、これが自宅作業でなおかつ孤独死におびえている人にとって、微妙に使えないという大発見をしてしまった。

家から遠いんですよ。

いや、別に僕はコーワーキングスペースとかいくお金ないので、個人的には行かないのだけど、将来行くかとしたらどうかなと想像したりする自由はあるのです。

さらに、周りの人の話も聞いていると、家から遠いというのがネックであるのは実際にあるらしい。コーワーキングスペースに入居したのに、遠いからほとんど近くの居心地のよいカフェで仕事してますとか。

そもそも、フリーになることは、電車通勤から解放されて、自由な時間に仕事できるっていうのが最大のメリットなはずだ。

でも、東京の六本木とか渋谷にコーワーキングスペースがあって、それに通ってたら、通勤地獄が復活となり、意味ないと思うんですよ!

結局、クライアントの打ち合わせとか、そういう都会に出かけるついでにみたいな使い方が一番適していると思うのだけど、それは週二回とかの使い方であって、週4日以上行くようなヘビーユーザー向けじゃないはずだ。

かといって、コーワーキングスペースがある渋谷とか都会に住むのは家賃が高いのでNGである。そこで、適度な田舎に、お洒落で快適で、開発者とかデザイナーの人が集まるコーワーキングスペースを作って欲しい。

そして、僕はよく昼夜逆転してしまうという遺伝体質があるので、24時間営業だとなおよいです。こういうのが出来て、コミュニティとかもいい感じになってきたら、その近くに引っ越してもいいかと思う。

たぶん採算が合わないから、田舎の山になぜか立派な本格カート場があるぞみたいな、どっかのお金持ちの道楽で作ってもらうしかない。


PairはアップデートInfoをブログのように書いてる


PairはYcombinator出身のチームが作った注目のアプリなんですが、アプリのアップデートinfoをブログの情報発信のように使っていた。

大多数のアプリはこの部分に無味乾燥なアップデート項目を羅列するだけど、最近こういうやり方も増えてきた。

簡単に訳すと、”みんな、素晴らしいフィードバックありがとう。もうすぐ大きなアップデート控えてるけど、今回は小さな問題を修正するアップデートだよ。”という感じでいろいろ書いて始まって、アップデート項目を書く。

その後、”次のアップデートは2週間後にこんな感じの事をするよ”といろいろ書いて、最後に、”みんなのフィードバックは凄く感謝してるから、もっとPairをよくするために、いつでも連絡してくれよ”みたいな感じで閉めてる。

アップデート情報欄は読まない人のほうがもちろん多いけど、意外にここを読む人も結構いる。(気に入っているアプリなら、どう変わったのかなと思って読む。)

アプリ使ってくれてるユーザにメッセージを発信しようと思ったらここしかないんじゃないか。Webでブログやっててもわざわざ読む人は少数だろうし、アプリ内のどっかで読めるようにしても誰も読まないだろうし。

アプリを使ってる時に突然ポップアップ出てきて、”Hello, 最近はこうでああで、なんたらかんたら〜”とかメッセージ発信したら、大多数のユーザはぶち切れてワンスターレビューの報復を受けるだろう。

僕はPopsetとかHighlightとか、海外で話題のスタートアップが出してくるアプリはとりあえずUIとかUXとかを参考にするために落とすのですが、いろいろ盗むべきポイントが多くて面白い。

ただ、前々回のブログでも書いたけど、こういうアップデートをする予定ですとかあまりユーザに約束はしないほうがいいと思う。重要なバグで急いで治してるよとかじゃないかぎり。

ユーザの期待値をあげてしまうと、途中で方針転向してお蔵入りになったり、出来上がるまで時間がかかってしまうと、いざリリースした時に不利だ。

アップルさんのように、出来上がってリリースするまで黙っていたほうが賢いのではないかな。これはインサイドアップルという本で学んだ。


App Store内のSEO最適化について調べてみた


最近アップストアのSEOについて勉強したので書いてみる。この分野に関して詳しい日本語情報もまだなさそうだし。

僕は「アプリは内容が全てだから、SEOなんていらないんだよ!」というピュアな考えを持つ人間なのだけど、面倒じゃないならとりあえず試してみるかといった気持ちでやってみた。

調べてみたところ、WebのSEOみたいに洗練されてない分、出来る事は限られているのでシンプル。時間かけずに出来そうなのがいい。

最初に白状しておくと、LisgoがアップストアのSEO対策したら爆上げでウハウハだぜーっていう状況などにはなってないのです。まだ、アップデートして日がたってないので効果がよくわからない。

残念ながら、実体験を元にというよりは、各種アップストアのSEOサービスを使ったり、英語のブログを読みあさって得た知識を主に書きたい。

なぜアップストア内のマーケティングが重要か

adMobのデータによると、90%の人はiPhoneアプリを発見する時に単純にiPhoneアプリ内から見つけるらしい。まじか!!本当かどうか知らないけど、これは予想以上の数字だ。

確かに、最近はパソコン使わずになんでもスマートフォン使う人が増えていて、このトレンドはどんどん加速している。

僕はWebサービスからアプリ開発に移ってきたので、Webのランディングページに余った時間を使っていた。とりあえずダウンロード数を増やしたかったら、その時間を使ってストア内のアイコンとか、スクショとか、説明文やタイトルの見せ方に時間をかけたほうがよさそう。

ちなみに、アップストアのSEOを勉強しようかと思ったきっかけは、Lisgoのストア内の説明文を日本語でも書いてみたら、日本のストアの売り上げが一気に変わったからである。この時、ストア内で見つけてもらうのが一番重要なんだなと実感した。

アップストアのSEOは手軽で、個人開発者に優しい

ほとんどの人がアプリをストア内で見つけると書いたけど、圧倒的多数の人達はランキング経由か、検索で見つけるらしい。(appSEOのHP情報)

ランキングに入るのは大変だけど、検索でヒットしてもらう工夫ぐらいなら簡単にできる。なにも考えずに適当にリリースすると、検索にもなかなかヒットされずに詰んでしまう。

自分もそうだったけど、アプリを知ってもらうには、有名なブログで取り上げてもらうとか、SNSでバズるとか、最初はそういう事を考えるんですよ。でも、どちらも大変だし、完成度高いアプリを満を持して発表して、各種媒体に取り上げてもらおうのは時間かかる。個人なら特に。

僕は素早くリリースして、反応をみながらアップデートを繰り返しているので、まだまだ荒削りな段階でバズるマーケティングするのもよろしくない。大多数の人に提供できるほど使いかってが洗練されてないから。

しかし、アップストアのSEOはちょっとタイトルとかキーワードを工夫するだけなので、少しノウハウさえあれば簡単にできる。わざわざ検索してくれるのは最初のアーリーアダプター層な可能性が高く、初期段階のアプリでもOKだし。

もっと具体的なダウンロード数を突き詰めると、レビューを増やす施策が特に重要になってくる。Lisgoは初めて使うユーザでも使いやすいようになってないから、まだ早いかなあ。

ちなみに、appCodの人がQuoraで説明してた実践的なプロモーション方法は素晴らしい。個人開発者でも真似できそうなノウハウ満載だったので、内容だけでも今度紹介したい。

重要ポイント1 – タイトルに関連ワードを

まず、検索結果で表示される長さ(20byteぐらい)の最初の部分は、分かりやすいタイトルをつける。なおかつ、アプリに関連する重要キーワードも加えて入れる。タイトルに重要ワードを入れるのが特に検索には有利みたい。

Lisgoの場合は、以前”Lisgo”だけだった。これはよろしくない。

“Lisgo Blog Speaker – Voice reader for web news, it reads your Read It Later list aloud with Acapela text to speech.” のほうがよさげ。

*UPDATE
実験的に試したのだけど、上のタイトルは長過ぎてスパムっぽいからもっと短いほうがよいなあ。。あまり長過ぎるといかがわしく感じるし。ちょっと次のアップデートは考え直そう。

長過ぎるタイトルだと検索ランクは薄まるの?ってappCodの人に聞いたら、「それは僕たちも、まだ分からない。」という返事だった。

でも、”Instagram”だけのタイトルだったりする場合、ユーザがInstagramと完全一致するワードで検索したら、絶対にトップに表示されるらしい。だから、Instagramみたいに有名になったアプリは、下手に長くするより、アプリ名だけにして、完全一致で確実にトップに表示されるようにしたほうがいいのかも。

ちなみに、appCodのデモアカウントで、どの長さにすると検索画面に収まるかをお手軽にシミュレートできるのでお勧め。キーワードの検索順位を確かめるのも素早くできる。

間違ってたら申し訳ないけど、だいたい20byteまでが検索結果画面に収まる。Universalアプリだと+ボタンが値段の左側に表示されるから、さらに短くしないと右側が切れちゃう。

また、あまり関係ないワードで長過ぎるタイトルだったり、単純にキーワードを並べるとリジェクトされるので注意。長過ぎるタイトルはクールに見えないのもあるし、できれば簡潔で短いほうがよいはず。キーワード変えるためだけにアップデートするのも、ユーザにとってはウザいことこの上ないので止めましょう。

*UPDATE
appSEOの柴田さんによると、重要な単語であればタイトルと指定キーワードに同じ単語を入れるのは意味あるらしいです。いろいろ実験して確認したらしい。

重要ポイント2 – 競争率の高いキーワードは登録しない

ストアSEOを勉強するまで、単純に関連しつつ人気そうなワードを適当に登録キーワードに入れていた。appSEOを試してみると、「ダメですよ!こんな人気キーワードいれても、あなたの検索順位は50以下で意味なしだよ。変えましょう!」って教えてくれる。

確かに、順位が下になって意味がないなら、大人気ワードは入れずに、ちゃんと見られる検索順位で表示される他の関連ワード登録したほうがいい。アホだった。。

しかし、AND検索で探す場合もあるから、他のキーワードとAND検索で多用されそうなら競争率高いワードでも入れるべきなのではないだろうか。appSEOでは変えろって警告されるけど。どうなんでしょ。

※UPDATE
appSEOの柴田さんにTwitterで質問したら、全ての設定ワードをちゃんとランクインするほうを優先するほうがよいとのことでした。そのワードでAND検索にヒットする可能性もあるし。どうしても競争率の高いワードでAND検索を優先する場合は別だけど。。。と教えてもらった。なるほど!

とりあえず、人気の競合アプリを登録キーワードに入れるというのは常套手段で、なおかつワードの競争率も大抵そんなに高くないからオススメ。

※UPDATE
競合アプリの名前をキーワードに入れるのは厳密にはルール違反らしい。アプリマーケティングの本で書いてて、リジェクトされた事もないので普通だと思ってたけど、これも避けた方がよいようだ。

ちなみに、アップストアのSEOサービスというのは、登録した競合アプリからお勧めのキーワードを解析したり、自分の登録しているキーワードで自分のアプリがどのぐらいの順位で表示されるかを教えてくれる。

競争率がそれほど高くないけど、自分のアプリに関連する人気ワードを探すのはとても難しいし、自分のアプリの人気度によって最適な登録ワードも変わる。これを選びぬく手助けをしてくれるのですね。

自分の知っている範囲で、アップストアのSEOサービスは、appSEO、appCod、AppStoreOptimizationの3つ。appSEOとappCodは日本のストアも対応してる。特にappSEOは日本語対応で、素晴らしいスタートアップのノウハウをたびたび共有してくれる日本人の柴田さんが運営してる。

関連サービスやブログ

appSEOの一週間の無料期間は、こちらのリンクから登録すると2週間に伸びるらしい。僕の期間も一週間延びると書いてる。
http://appseo.co/ja/?rf=aec2933495dd20e17cdc9c151a913846

appCodのデモアカウントは、競合アプリの登録ワードを予測してくれるのでお勧め。英語だけど、ブログも必見。どのアプリマーケティングの本より実践的で素晴らしい。
http://www.appcod.es/

ユーザ目線で、アプリを落とすかの意思決定までの思考過程を解説してくれてる記事。必見!「AppStoreで残念なアプリをつかまないための11のチェックポイント」http://d.hatena.ne.jp/renewal49/20120403/1333456535